バルセロナの舞台女優クラウディア(80)は末期がんの罹患者。
癌は脳に転移し、錯乱や半身麻痺と自我の喪失が近づくなか、彼女は安楽死を選択する。
クラウディアは子育てよりも舞台優先で生きてきた。お茶目な女優の妻を支え、今なお愛してやまない夫のフラビオ。
永縁なる夫婦は、共に安楽死することを決意し、スペインで安楽死はできるがデュオ安楽死はできない。だからデュオ安楽死ができるスイスへ行くと、3人の子に打ち明ける。
「最期に聞きたい死のプレイリストのご準備を」
子供たちは父の考えに賛成しない。長女は母の操作と決めつけ喧嘩する始末。
しかし父の意志は固く、両親はデュオ安楽死に必要な手順を進め、最後の旅への出発がにわかに訪れるのだが…。
両親の終幕を題材にしているが不思議と暗さを感じない。むしろ家族のユーモアあふれるセリフ回しに、それを忘れてストーリーに没頭してしまう。本編の一部は、家族の心情を母の職業だったミュージカル調で表現し、本筋と見事に融合。2024年トロント国際映画祭の新たな挑戦作を評価するプラットフォーム部門において最高栄誉「作品賞」を受賞。最後まで自分らしく生きた母の終末期。
欧州で急激に増えるデュオ安楽死。なぜ増えるのか?その一つの答えを本作で垣間見る。
※積極的安楽死は日本では違法です。刑法199条殺人罪または刑法202条の嘱託殺人・同意殺人罪により実質的に禁止されています







